2016年8月21日日曜日

公務員試験への準備part12(人物試験)

記述式の専門試験、政策論文が終わると、二次試験の一日目は終わりです。

二次試験の一日目にハガキくらいの大きさの紙を渡されます。
これは二次試験の"二日目"、人物試験の案内です。

人物試験は公務員の庁舎で行います。

この人物試験は面接です。
民間企業で面接を受けたことがあるならイメージしやすいと思います。
面接官3人に対し、受験者1人の面接です。

面接にあたっては"面接カード"が必要です。

この面接カードは民間企業の就活でいう、"ES(エントリーシート)"です。
ここに書くべき内容は、

1. 学業や職務において力を入れたこと
2. 社会的活動や学生生活において力を入れたこと
3. 日常生活その他において力を入れたこと
4. 志望動機
(希望する官庁)

です。

文字数の指定はないので何字でも構わないのですが、文字は大きめに書くべきです。
小さく書いても悪くはないと思いますが、小さく書くと読む面接官の方も大変です。
面接官の方は休みなく、ほんの数分で面接カードを読み、面接を行います。
内容はざっくり書くほうが心象がよいと思われます。

この面接ではあまり違いが出ないといわれています。

面接は偏差値評価です。
すなわち、すごく上手い人(A判定)、上手い人(B判定)、普通の人(C判定)、許容範囲(D判定)、問題あり(E判定)と分かれています。

"普通"であるC判定は、割合的に最も大きいです。
"問題あり"であるE判定は、ほとんどの人がなりません。
聞いた噂によると、"目の焦点があっていない人"や"常に落ち着きのない人"といった危ない人をはじくためにあるそうです。
これにひっかかることはまずないといってよいでしょう。

すごく上手い人であるA判定は、元営業の人がなる場合が非常に多いといわれています。
このレベルを目指すには、内容を精査するだけではなく人前で話す経験も必要でしょう。
そのような能力、数日では身につかないと思われます。

そのため、最低限のレベルを越えたなら、それ以上の努力はいらないと思われます。
…とはいえ、残りの試験はこれだけなので力を入れるべきですが。

最低限やるべきことは、非常に少ないです。

・面接カードに書いた内容を覚えておくこと
・面接カードに書かれた内容より深く訊かれることを想定する

これくらいです。
民間企業の面接と異なり、この時の面接は非常に簡単です。

基本的に面接カードに沿って訊かれます。
ですが一人当たり15分という面接時間のためか、訊かれることは非常に少ないです。
また情報が面接カードからしかないため、それ以外のことを訊かれることはほとんどありません。

そのため
・面接カードに書いた内容を覚えること
・質問想定集を用意すること
が大切です。

この面接に関しては落ち着いて、訊かれたことに答えることができれば問題ありません。

これで国家公務員総合職試験は終わりです。
これらの情報を役立ててもらえると幸いです。

2016年8月16日火曜日

公務員試験への準備part11(政策論文試験)

二次試験の記述式専門試験を終え、非常に長い昼休みを終えると、政策論文試験です。
この政策論文試験は知識を詰めそれを応用して答える、試験とは異なります。

名前の通り、論文を書く試験となっています。

2時間の時間が与えられ、一つのテーマに関してA3の紙に論文を書きます。

普通の小論文を課される試験では、テーマだけを与えられて、文章を書きます。
しかしこの国家公務員試験における政策論文試験では、三つの資料が与えられています。

この三つの資料を読み取って、与えられたテーマに関する論文を書く、という試験になっています。

この政策論文試験で重要なことは、論理的に文章を書く力のみです。
これ、結構重要です。

その与えられたテーマに関する知識はあまり重要ではありません。
自分の意見はもはや邪魔で、思い入れがあろうとも押し込めなければなりません

なぜならこの政策論文試験で重要なことは、与えられた資料から、論理的に論文を書くことだからです。

この論文試験では、その論理力を見られているといえます。

そのため、この論文試験では大まかに以下の流れで文章を書くことになるかと思います。

1. 資料を読む(英語の資料も含みます)
2. 論文の構成を決める(賛成か、反対かといったことや、どのような情報を書くかなど)
3. 本番の用紙に文章を書く

また、この論文試験では注意書きなどされていないものの、一定量文章を書く必要があります
具体的にどこまで、ということはできませんが、裏ページまで書ききれば問題ないそうです。

この論文試験、論文なんて対策のしようがない、という理由で知ろうとも知らない人がいます。
求められている力が"論理力"であることを知るだけでも、大きな価値になります。
また、対策する人も比較的少ないです。
一度本番さながらに論文を書いてみるだけでも、他の人と大きく引き離せるのではないでしょうか。

理系にとっては、文章を書くことが苦手かもしれません。
しかし、論理力に関しては負けていないと思います。

これも対策すれば一定のラインは越えられるので、友人に見てもらうなどし、論理的に書けているかなどチェックしてもらうことが大切です。

まとめると、論文試験で重要なことは二つです。

・A3の用紙の裏面まで文章を書く
・資料を用いた論理的な文章を書く

少なくとも、この二つだけは意識して、試験に臨むようにしてください。

2016年8月15日月曜日

公務員試験への準備part10(専門試験、記述式への対策)

性格試験が終わったならいよいよ記述式の専門試験です。
これが国家公務員総合職試験という全体の、三分の一を占めています

今回は自分が受けた試験区分と同じ、"工学"であろうとも、ほとんど役に立たないです。
この記述式の専門試験は本当に自分の専門分野のみ、解けばいいからです
ですので、電気の人は非常に参考にして欲しいです。
他の分野の人は軽く聞き流してください。
この違いはどうしようもないですよね。

大問が29問あるのですが、この中から2題、選択して問題を解きます。

問題形式は、ある分野に関する大問が一つ与えられ、その中に小問がいくつかあるような形式です。

問題数が少ない割に試験時間が非常に長いです。
すなわち、一つの問題にかける時間が非常に長くなっています。

過去問を完璧に解けるようになったからといって、その年の問題が解けるとは限りません。
同じ電気分野といえども、電気の中で更に専門性が細分化されています。
…これら全てを一応学んではいるので、できる前提ではあるのですが。

どのように問題が出されているのか、毎年の傾向から"ヤマ"を張るのはいいと思います。
ただ、過去問だけを勉強しては意味がありません。
電磁気学、電気回路の分野に限っていうならば、
キルヒホッフ方程式、回路における微分、方程式、共振周波数、ラプラス方程式、トルク、四端子対回路、コンデンサ、真空中における電荷、影像電荷、コイル…などなど、数多くの分野に分かれます。
当たり前の話ではありますが、過去問だけができても意味はないので、広く勉強してください。

この記述式の専門試験では、今までの多肢選択式の試験とは大きく異なる点があります。
それは、成績評価が"偏差値"であることです
たとえ問題が全然解けなくとも、周りの人も同じく解けなければ、そこまで悪い評価にはならないのです。
他の人より出来がよければ、点数が高くなるのです
やること、準備することは勉強し一問でも多くことです。
試験当日、できない、と諦めるのは早計です。
できないからといって落ち込むのではなく、少しでも点が稼げるよう、部分点だけでも取りに行く努力が大切です

また、この試験は記述式です。
解答が間違っていたとしても、部分点がもらえる可能性があります。
解答欄を"できない"といって白紙にするのではなく、公式など、足がかりとなるような記述ができるのであれば、必ず書いてください

…と、ここまでは全体に対して言えることを書きました。
ここからは電気の人限定になると思うので、どうでもいいと思える人は読み飛ばしてください。

自分が選択した科目は、
・電磁気学、電気回路
・電子工学
の二科目です。

使った参考書は以下です。



この参考書はおなじみの国家公務員試験対策の参考書です。
これでは試験問題のような大問がないので、加えて大学での参考書を使いました。





これに加え、大学での試験も解き直しました。

教科書の内容全てを勉強はしていません。
過去問を分析し、出そうな分野を勉強しただけです。
特に電子工学では、問題になりそうにない分野についても多く書かれています。

一ヶ月の猶予があるとはいえ、その間全力で駆け抜けることは辛いです。
であれば、過去問を分析し、どの分野から問題が出題されそうかを大まかに予測して、多少は範囲を区切って勉強してください。

2016年8月14日日曜日

公務員試験への準備part9(二次試験の概略&性格検査)

一次試験に受かったら、一週間ほどして合格通知ハガキが送られてきます。
これがくるまでの一週間、試験は難しかったし解けない問題があったし受かるか不安です。
そしてハガキがくると、ドキドキです。
これを開くと、否が応でも合否を知らされてしまいます。
そして覚悟が決まり、通知ハガキを開きます。

合格の二文字があり、次の試験日程が書かれていると、合格です。

そうなると舞い上がり、自分は間違ってなかった、と喜びにあふれたものでした。

これがきたなら、油断しなければ合格は目前のはずです。
正直なところ、この一次試験を通ることができれば合格できると思います。

一次試験から二次試験まで一ヶ月あります。
この期間にきっちり対策をすれば問題ないはずです。

大卒程度の二次試験では、三つの試験を受けます。

・性格検査
・専門試験(記述式)
・政策論文試験

これら三つの試験です。
これら三つの試験を、一日で行います。

専門試験は一番体力を使います。
ですが専門試験後、政策論文試験があります。
お昼休みを挟むので、この隙に体力を回復して、政策論文試験に臨んでください。

試験範囲は自分の専門試験と政策論文試験の二つなので、一気に狭まります。
たとえどちらもやったことがなくとも、一ヶ月あれば確実にどうにかなります。

ただし、一つ注意があります。
最も辛いであろう一次試験で燃え尽きないでください。

ここで踏ん張れば、二次試験に受かります。


試験当日、まず受ける試験は"性格検査"です。

これで落ちるのはもったいない…というよりか、NGワードを必ず避けてください

これは民間企業の性格検査とは趣が大きく異なります。

この性格検査は、性格に問題のある人を落とすための試験といっても過言ではありません。

「毎日死にたいと思う」
「自分は特別な存在だと思う」
「誰かが監視しているように思う」

…など、明らかに「はい」と答えてはならない答えを「いいえ」と答えれば問題ありません。

この性格検査の十五分を越えると、試験の3分の1を占める専門試験です。
ここからが本番です。
次回から、この本番の試験の対策を話していきます。

2016年8月11日木曜日

公務員試験への準備part8(専門試験、多肢選択式への具体的な対策~専門科目~)

今回の記事で公務員試験一日目の科目が全て終わります。
基礎能力試験、専門試験と非常に長い一日になるかと思います。
おそらく最後に解くであろう、この専門科目を解き終わると、机に向かい頭を振り絞る時間から解放されます。
頭をフル回転させているため、疲れが溜まりますが、ここで気を抜いたら終わりです。
特に得点を取りやすい分野ですので、踏ん張りが必要です。

専門試験の後半、専門科目の具体的な対策を説明します。

今回も専門科目により対策は大きく異なると思うので、自分の分野"工学:電気系"の人に向けた対策です。

まず、専門分野全体におけるルール説明です。

この専門分野は問題を選ぶことができます

工学、と一言にいっても専門分野が多岐に分かれているからでしょう。
そのためか、その多岐に分かれている専門分野が全て載っている問題冊子を渡されます。

そして、その専門分野から自分の得意な分野を選んで解答することとなります。

ただし、選ぶといっても制限があります。
選べるのは6科目までです。
そのため、専門分野の中から簡単なものだけを選んで解く、という戦法は利用できません。

選んだ6科目30問の中から、20問解く必要があります

この選ぶべき6科目は、"これ"という王道パターンはありません。
自分の目で問題を確かめ、"できる"と確信した問題を解いてください。

自分は何を解いたのか、書き記しておきます。

自分は電気系でしたので、当然ながら電気を中心に問題を解きました。

~力を入れて対策した科目~

・電気工学
・電磁気学
・電子工学

これらの科目は二次試験でも選択すると分かっていたので、重点的に対策しました
(二次試験では電気工学と電磁気学が一つの大問でまとめられています)

二次試験で選択すると分かっている科目は、きっちり勉強すべきです

この時利用した参考書は以下です。



これは二次試験でも当然ながら役立ちます。

これら三つの科目は、15問中13問は解こうと決めていました。


~そこそこ勉強した科目~

・計測工学、制御工学
・情報工学(ハードウェア)

そこそこ勉強した、とはいえ、落とすことはできないので、結構勉強しました。
大学における制御の授業や情報の授業から、親和性が高かったため、これら二つの科目を選択しました。

これらの二つの科目は、10問中5問は解こうと決めていました。


~あまり力を入れなかった科目~

・工学基礎実験
・基礎化学

ここで点数を稼ぐ意識はあまりありませんでした。
ですが、どの分野でもいえることですが、始めの一・二問目は簡単であることが多いです。
実際、"昔実験でやったなぁ"とか、"大学受験でやったなぁ"という問題が出ています。
そのことをあてにして、10問中2問程度解こう、と考えていました。


もちろん、解こうとした問題数は目安です。
試験問題の中にはものすごく難しく、解けそうにもない問題は必ずあります。
その場合は諦め、別の簡単な問題を解くべきです。
…それでも、回答数が足りず、そのような問題にもチャレンジせざるを得ないのですが。


もし、大学の授業で"ほとんどの科目を勉強したことがない!"という場合は、点数の取りやすい科目か、大学受験とかぶっている科目を勉強してください。
オススメは以下です。

・基礎化学
・技術論
・熱力学、熱機関
・環境工学、衛生工学

といったところでしょうか。
これだけではもちろん足りないので、得意そうな分野を増やしてください。

2016年8月9日火曜日

公務員試験への準備part7(専門試験、多肢選択式への具体的な対策~工学の基礎~)

part7まで書いても、まだ国家総合職試験としては一日目。
結構長いですね。

今回は基礎能力試験と同様、具体的にどのような対策をしたのかを書きます。
とはいえ、ここから先は自分が受けた区分と同じ、"工学"の人が参考になるかと思います。

そのためこの専門試験については、まず過去問を入手することが大切です。
そしてその過去問を一通り解き、どのような勉強をすべきか、ざっくり決めます。
あとはその専門分野を学んできた、自分の知識を信じて参考書などを買うなり勉強するなりしてください。

工学区分で受けようとする人は、ぜひ参考にしてください。
この方法で自分は試験を通ったので、役には立つはずです。

まずは工学区分の専門試験前半、"工学の基礎"について書きます。
この工学の基礎は解くべき問題数が40問中、20問を占めています
また問題を選択できないので、工学区分で受ける限り数学と物理からは逃げられません。
したがって、無視は全くできません。

この工学の基礎は数学、物理の分野から出題されます。
この二教科のみなので、これで20問も取れる、と考えれば非常にお買い得です。

使った参考書は以下です。


基礎の知識は大学受験のもので十分です。
しかし、その応用力は大学受験では済みません。

確かに基礎知識は大学受験のものです。
ですが、問題の難しさが桁違いです。

全部が全部難しい問題ではないのですが(ものすごく簡単な問題もあるのですが)、この参考書の問題が7割解けるほど勉強するのは有効かと思います。

年々、この専門試験(多肢選択式)は易しくなっている傾向があります。
そのためここまで恐れることはないかもしれません。

ですが、得点になりやすいこの分野で、点数を稼いでおくのは戦略として正しいと思います。
この参考書を最後まで解くだけでも、かなりの力になります(とはいえ、この参考書は非常に分厚いのですが…)。

点数配分が3/15と基礎能力試験より1.5倍あります。
もしこの第一次試験を受ける前に、微妙な空き時間があるならば、この専門試験の工学の基礎を勉強してはいかがでしょうか?
大学受験で経験しているぶん、読みやすさがあるので有意義に時間が使えるかもしれません。

2016年8月8日月曜日

公務員試験への準備part6(専門試験、多肢選択式の概略と戦略)

全体的な戦略、基礎能力試験と説明してきました。
そのため、次の試験である工学の基礎について説明します。

日程としては基礎能力試験と同じ日です。
基礎能力試験を午前中に行い、昼休憩を挟んで専門試験を午後いっぱい行います。

この専門試験は自分の受ける試験区分により、大きく異なります。
今回、自分は工学区分で受けたので、工学区分における対策について説明します

別の区分の方は、過去問からどのような問題が出るかを把握し、勉強してください(投げ槍ですみません)。

工学区分は多くの理系学生が受けているのではないでしょうか。
工学区分は一口に工学と呼んでも分野が非常に幅広くなっています。

この試験の特徴は、大きく二つです。

・解答必須の"工学の基礎"を20問、選択科目を20問

数学、物理の問題がまず20問あります。
この部分は"工学の基礎"と呼ばれ、工学を選択する限りどのような分野の人でも解かなければなりません。
難易度はそこそこ難しいものとなっています。
しかし例年の傾向からすると、だんだん易しい問題になっているように思えます。
いずれにせよいえることは、ライバルより多くの点をとっておくべき、ということです。
点によって順位が決まり、その順位で採用されるか否かの判断材料の一つにもなりえるのですから、いい点を取っておくに越したことはありません。

そして後半の20問は、選択式です。
自分の専門分野の問題を解くことが出来ます。
ただし制限があり、解くことが可能な科目数は6科目です。
1科目あたり5問なので、30問中20問、解く形式となっています。

自分の専門分野が今年に限って異様に難しいということがあります。
その場合は無理に固執せず、簡単な別の分野で問題数を稼ぐ、という戦略が有効です。
よって事前に問題を読んでおき、自分に合いそうな6科目をあらかじめ把握しておく必要があります。
そしてその6科目を重点的に勉強する、という方針になります。


・専門的に学習していないと、問題文の意味さえ分からない難しさ

工学の基礎部分はおそらく高校生レベル+αです。
そのため初見でも問題文は理解できるでしょう。

しかし、後半の専門分野は別です。
専門外の試験は、本当に何を言っているのか分かりません
日本語がおかしい、ということではもちろんありません。
知らない単語が多すぎて、何をしたいのか、すればよいのか検討もつかないのです。

そのため大学時代に学んだ知識をベースに、戦ってゆくのが基本となります。





~具体的な対策~

この専門試験(多肢選択式)は配点比率が3/15であるため、少し力を入れて勉強すべきです。
…では留まらないので、かなり力を入れて勉強してください

この一次試験が合格した後の二次試験で、専門試験(記述式)があります。
この二次である専門試験(記述式)は以前書いたとおり5/15と非常に高い配分となっています。

この一次と二次の専門試験はかぶるところが非常に多いです。
そのため専門試験の勉強だけで、8/15にも及ぶ非常に時間対効果の高い勉強となるのです。

よって、この専門試験はかなり力を入れて勉強してください。
とくに、二次の専門試験で受けるであろう科目については、より重点的に勉強してください。

後先を見据えて勉強することが、大切になります。

次に、専門試験(多肢選択式)の参考書や選択すべき科目など具体的な対策について書き綴ります。

2016年8月5日金曜日

公務員試験への準備part5(基礎能力試験への具体的な対策~知識分野~)

前回は、基礎能力試験の知能分野(国語、英語、数的処理)の対策を説明しました。

今回は、基礎能力試験の後半、知識分野の具体的な対策を説明します。

知識分野は、

・自然科学(数学、物理、化学、生物)
・人文科学(日本史、世界史、地理、文芸、思想)
・社会科学(政治、経済、時事)

の大きく三つの分野で構成されています。
また、それぞれの問題数は、

・自然科学:4問
・人文科学:4問
・社会科学:5問

となっています。

知識分野の難易度は、大学受験時のセンター試験より、数段難しい、といえます。


この知識分野について、確実に一つのことが言えます。

なるべく勉強しない

ということです。

知識分野は13問しかありません。
しかも、一つの分野につき配点は1点しかありません

自然科学では数学1問、物理1問、化学1問、生物1問。
人文科学では日本史1問、世界史1問、地理1問、文芸1問、思想1問。
社会科学も専門分野ではないので分かりませんが、詳しい時事問題も入り、分野は広くなっています。

これらのことから言えることは一つ。
基礎能力試験の中でも、

時間対効果が非常に低いのです

たとえば化学をマスターし、化学が出題されれば確実に点をとれるようにしたとします。
ですが、化学をマスターしたとしても、たったの1点にしかなりません
しかも、化学が出るとは限りません(年度によって、出題されない分野があることがある)。

そのため、この分野はなるべく勉強してはならないのです。


自分の場合、どう戦略を練ったのかを書きます。
自分は技術系(理系)です。

この知能分野を全て落とした場合、足切りにひっかかる可能性があります。
そのため、知能分野をまるで勉強しない、ということはできませんでした。

よって親和性の高い、自然科学を学びました。
中でも大学受験で勉強した、数学、物理、化学のみを勉強しました。
あまりにも範囲が広いため、新たな分野を増やすとゼロから知識を入れなければなりません。
たった一点のために、そのような時間を費やすのはもったいないと判断しました。

他は本当に全て捨てました

人文科学分野の問題を技術系の人が見ると分かります。
何を言っているのかさっぱり分からないのです。

加えて、範囲が非常に広いことが分かります。
例えば世界史です。
文章が書かれている選択肢のうち、正しい記述がなされている文章を選択する形式です。
文章を読むと、ヨーロッパの14世紀の出来事から18世紀の出来事の中で、正しい選択肢を選ぶことになります。
これは学び始めても到底追いつかない、と戦略的撤退をしました。

社会科学分野も同様です。
新しいことしか出ない、時事の勉強をしようかとも思いました。
ですが、この時事も結局は諦めました。
時事問題は文章が書かれている選択肢のうち、正しい記述がなされている文章を選択する形式です。
この選択肢を読むと分かるのですが、一つの時事について書かれているのではなく、選択肢ごとに違う時事について書かれています。
そのため、5つの時事について知らなければ正解できないのです。

以上の理由から、人文科学、社会科学は適当にマークして終了させました。
できもしない分野で、いたずらに時間をかけるほうがもったいないです
勉強時間としても、本番としてもです。

ですが、自然科学分野についてはきっちり勉強しました。

特に技術系であれば、自然科学分野に手をつけるべきです。
なぜなら、午後に行われる専門試験(多肢選択式)の「工学の基礎」で、数学、物理の問題が出題されるからです

数学、物理については専門試験(多肢選択式)の「工学の基礎」の勉強で十分カバーできるので、それと同じ参考書を利用しました。


化学については、センター試験の勉強が役に立ちます。
そのため、大学受験時の勉強をそのまま転用しました。


一応、"点数を稼ぎたいから時事問題もやる!"という人向けの参考書も書いておきます。


※当たり前ですが、公務員試験を受ける年度の「速攻の時事」を買ってください。

どの分野もできない!という人にはまだ時間対効果の高い時事問題に注力したほうがよいでしょう。
ただし、時事問題は大量にあるので、勉強した範囲が当たるかどうかは運次第であると同時、問題はかなり詳しく書かれています。
そのため、"当たった!"という感覚になることは珍しいといわざるを得ません。


基礎能力試験の後半、知能分野では、とにかく自分の得意分野だけをやるべきです。
そして、なるべく時間をかけないべきです。
本番でも、解けない分野は適当にマークし、数的処理など時間をかければ解ける問題に時間をまわす

これを必ず覚えてください。

2016年8月4日木曜日

公務員試験への準備part4(基礎能力試験への具体的な対策~知能分野~)

前回は、基礎能力試験でどのような対策をすべきか書きました。

ざっくり言うならば、

"基礎能力試験は最も時間対効果が低い、最小限の努力で済ませるべし"
"足切りに引っかからないよう、どこで点数を取るか戦略を立てるべし"

といったところでしょうか。

今回は、では具体的にどのような対策をしたかについて書きます。


まず、国語からです。

問題として、A4一枚程度の文章を読んで合致している選択肢を選ぶ問題や、下線部が引かれた部分の意味、文章を並び替える問題が出題されます。

これに関しては、問題をひたすら解きました。
具体的に、以下の参考書を利用しました。


問題への解説が詳しく載っていないのですが、国語に関してはそれで十分です(資料解釈が混じっていますが…)。
なぜなら、読んでも納得できないことが多く、また次に生かせる感覚がないからです(笑)

そのためひたすら問題を何回も解き、"問題に慣れる"を目標に勉強しました。
この参考書は問題数が多いので、演習がたくさんできるので、オススメです。


次に英語です。

英語も国語と似たような形式で、A4一枚程度の文章を読んで合致している選択肢を選ぶ問題がほとんどだったと思います。

また英語でも同じ参考書を使いました。


理由は似ていて、次に生かせる感覚がなかったからです。
よく文章を読めば書いてあることに気づかされます。
ですが、解説を読んで納得しても、次に生かされるとは思えませんでした。
単語も違い文章も大きく違う、ならば数をこなすことが大切だと思います。

経験を増やし、"問題に慣れる"が点数を取るための近道だと思います。


次に数的処理・数的推理・資料解釈です。

これは論理を辿ることが出来れば確実に点数を取ることのできる分野です(それでも解けない問題は存在したりするのですが…)。
取れる問題は確実に取ってゆく姿勢が大切です。
またこの分野は問題数が16問と全体の4割を占めており、たとえ文系の方であろうと、ここで点数を稼がないとキツイです。

ここでは、
数的処理、数的推理、資料解釈の解き方を理解すること
が大切になります。

これには、以下のテキストが力になります。


もともと論理的思考力が性にあっていたのか、このテキスト一冊で自分は事足りました。
始めは全然解けませんでした。
同じ問題をすぐに解きなおしても、なかなか正解にたどり着けませんでした。
けれども、努力は実を結び、五周ほど解きなおした頃でしょうか、数的処理系の問題がすらすら解けるようになりました。
見たことのない問題でも、解き方が理解できるようになったのです。

しかし、それでは辛い人もいると思います。
そのため、分野ごとに特化した、以下のテキストを学ぶと良いと思います。




このテキストを一読、あるいは一周して終わるのではなく(一発で解けるなら問題ないです)、再度解きなおすことが重要です
これも国語や英語と同様に、経験をつみ、解き方を覚えることが非常に大切です

…いかがでしたでしょうか?

基礎能力試験の中における、知能分野では、いずれも解き方を覚えることが非常に大切です
この知能分野では、経験が物をいいます。
演習をこなすこと、これだけで力はつくでしょう。

…知能分野だけで非常に長くなってしまいました。
次回、知識分野の攻略法をまとめます。

2016年8月3日水曜日

公務員試験への準備part3(基礎能力試験の概略&戦略)

これまで、公務員試験の全体的な流れについて説明してきました。
これから、具体的な試験の内容について書いてゆきます。
戦略を立てて満足しても、実際に対策しなければ意味がありませんからね。

まずは5月の終わりに受ける、基礎能力試験(多肢選択式)です。
一般的には教養試験、と呼ばれているものです。

この試験の特徴は、大きく以下の二つです。

・40問中24問(6割)程度正解がなければ、足切りにあう

どんなに他科目の成績がよくとも、基礎能力試験の点数が悪ければ不合格です。
その足切りのボーダーは、6割といわれています。
この足切りを越えない限り、この先には進めません。

・センター試験よりも非常に難しく、また広い試験範囲

センター試験は、英語、国語、数学、理科(物理、化学、生物)、社会(政治・経済、倫理、現代社会、世界史、日本史、地理)でした。
しかし、基礎能力試験ではセンター試験の科目一式に加えて、数的判断、数的処理、資料解釈が含まれます。
同時に、試験の難易度もセンター試験とは段違いに難しいです。





~具体的な対策~

この試験で満点を取ろうとすることは無謀かつ無意味です。
基礎能力試験(多肢選択式)は配点比率が2/15であるため、最小限の努力で済ませるべきです。
ただし、あまり手を抜きすぎると足切りとなってしまうので、疎かになりすぎてもよくありません。

では、どうすべきか。

24問以上正解できるよう、試験範囲を区切るのです。

まず、試験の問題を必ず入手してください。
これがなければ、個人的には受かりっこない、と思っています。

そして試験を見て、どの分野なら正解できるのか、吟味します
この作業がとても重要です。

たとえば自分の場合、
数的判断、数的処理、資料解釈は時間をかければ全て解けるとしました(16問)。
数学、物理、化学なら8割解けるとふみました(2問)。
現代文、英語は6割くらい解けるとしました(6問)。

これで24問+5分の1の確率で正解になる、としました。
そのため、自分には解けないであろうとした人文科学、社会科学は勉強したところで効果はゼロだとし、問題を軽く見て適当にマークしました

その代わり、自分が確実に解ける問題に全て時間を費やしました
基礎能力試験は、試験範囲が非常に広いため、時間対効果が非常に低いです。
そのため、自分が確実に点を取れる分野を作ることが重要です。

次は、基礎能力試験での分野ごとに、どのような勉強をしたかを書いてゆきます。

2016年8月2日火曜日

公務員試験への準備part2(試験全般への戦略)

公務員試験では戦略が大切です。

試験範囲は非常に広く、センター試験より難しく、かつ出題範囲が広いものとなっています。
いくら時間に余裕があり、勉強する意欲があろうとも、それら全てに手をつけようとすることは得策とはいえません。
であれば、全体を見据え、何にどれだけの比重をかけて勉強すれば効率が良いか、考えるべきです。

前回、公務員試験の概略をみせました。

http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/sougounavi.pdf

この表には、配点比率がかかれています。

基礎能力試験(多肢選択式):2/15
専門試験(多肢選択式):3/15
専門試験(記述式):5/15
政策論文試験:2/15
人物試験:3/15

この表から、
最も重要なのは配点比率が5/15と最も高い専門試験(記述式)
であると分かります。

しかも専門試験なので、専門試験(記述式)だけに留まらず、配点比率3/15と高めな専門試験(多肢選択式)にも役立ちます

もしかすると選択した科目によって異なるかもしれませんが、自分が選んだ「工学」区分では、範囲がほとんど同じであり、専門試験(多肢選択式)の勉強は確実に専門試験(記述式)に役立ちました。

そのため、専門試験の勉強だけで、
試験全体の8/15(半分越え!!)
という非常に効率のよい勉強ができるのです。




だからといって、専門試験だけを勉強しても受かることはできません。
なぜなら、足切りがあるからです。

足切りとは、その名の通り、"ある科目が一定点数以下であった場合、問答無用で不合格となる"ことです。
足切りは基礎能力試験(多肢選択式)で最も多いので、注意が必要です。

そのため、基礎能力試験(多肢選択式)において、6割以上点数を取る必要があります。
いくら専門試験のウェイトが高いからとはいえ、基礎能力試験(多肢選択式)を疎かにはできません。

これは高校などの試験に似ています。
たとえ数学で100点をとろうとも、国語が20点であれば追試を免れないことと同じです。


足切りにならない自信が出たなら、勉強すべきは専門試験です。
覚えておいて、損はないです。

2016年8月1日月曜日

公務員試験への準備part1(国家総合職試験の概要)

自分は選択肢の一つとして、公務員になることを考えていました。
中でも難しいといわれる、国家総合職を目指していました。
結局、採用されることはありませんでした。

ですが、そもそも採用されるための"官庁訪問"を権利を得るための試験、国家公務員総合職試験についてはよく知っていると思います。
ただ闇雲に勉強しただけでは受からない、そう考えたからです。

今回から、この"国家公務員総合職試験"に合格するにはどうすればよいかについて綴ってゆこうと思います。

ある試験があったとして、まずやるべきことは何ですか?
自分は試験について知ることだと思っています。

試験について知らなかったが故、試験範囲とずれたところを勉強してしまい、無駄な時間になってしまうこともあります。
そもそも、時間は限られています。
その時間を有効に使うことに越したことはありません。

そのためにまず、国家総合職試験はどのような流れなのか、ざっくり見てゆきます。
自分が受けた試験は大卒程度試験なので、その試験について書きます。

流れは人事院のページに書かれています。

国家公務員試験採用情報NAVI
http://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.htm
このページは、公務員試験の情報を得ることから公務員試験申し込みまで、あらゆるお世話になるので、お気に入りにしておくとよいです。

このページの「試験情報」内に試験内容が書かれています。

http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/sougousyoku/daisotsuteido_sougou/daisotsuteido_sougou.html
その中の大卒程度試験内容に注目します。

http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/sougounavi.pdf

この文書によると、


となっています。

まず、4月の始めに公務員試験に申し込みます。

次に、基礎能力試験と専門試験が含まれる第一次試験を5月終盤に受けます。
基礎能力試験は一般科目試験で、幅広い分野を取り扱う試験になっています。
一方、専門試験は自分が選択した専門分野の試験になっています。

この試験を突破すると、記述式の専門試験と、政策論文試験、人物試験がセットになった第二次試験を受けます。
記述式の専門試験は一次試験と同じく、自分が選択した専門分野の試験を記述式で解答します。
政策論文試験は、ある資料が与えられて、その資料を基にどのような決断を下すべきか、小論文を書きます。
そして人物試験は面接官三人に対して受験者一人の面接になっています。

これら二つの試験を突破すると、国家総合職試験に合格、となります。
そして国家公務員となるため、入りたい省庁へ官庁訪問をし、内定を獲得する流れとなっています。

次は、全体的な戦略についてまとめます。